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東京地方裁判所 昭和60年(特わ)2584号 判決

本店所在地

東京都渋谷区神南一丁目二二番八号

常盤相互銀行ビル

毎日ハウジング株式会社

右代表者代表取締役

田中一郎

本店所在地

東京都渋谷区恵比寿一丁目七番九号

株式会社毎日ビルディング

右代表者代表取締役

高上千栄子

本籍

東京都目黒区五本木一丁目一七番

住居

同区五本木一丁目一七番二三号

元役員

植木博子

昭和一五年一〇月二五日生

右の者らに対する各法人税法違反被告事件について、当裁判所は、検察官江川功出席のうえ審理し、次のとおり判決する。

主文

一  被告人毎日ハウジング株式会社を罰金七〇〇万円に、被告人株式会社毎日ビルディングを罰金一二〇〇万円に、被告人植木博子を懲役一年及び罰金五〇〇万円にそれぞれ処する。

二  被告人植木博子においてその罰金を完納することができないときは、金五万円を一日に換算した期間、同被告人を労役場に留置する。

三  被告人植木博子に対し、この裁判碓定の日から三年間その懲役刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告会社毎日ハウジング株式会社は、東京都渋谷区神南一丁目二二番八号常磐相互銀行ビルに本店を置き、遊技場(パチンコ店)の経営等を目的とする資本金八〇〇万円(昭和五八年三月一日以前は、二〇〇万円、同五七年五月三〇日以前は、一〇〇万円)の株式会社、被告会社株式会社毎日ビルディングは、同都渋谷区恵比寿一丁目七番九号に本店を置き、遊技場(パチンコ店)の経営を目的とする資本金一〇〇万円(昭和五八年七月一二日以前は、五〇万円)の株式会社、被告人植木博子は、右各被告会社及び同都渋谷区恵比寿一丁目七番九号に本店を置いて、遊技場の経営を目的とした資本金一〇〇万円の株式会社毎日ビルディング(昭和五七年五月三一日被告会社毎日ハウジング株式会社に吸収合併されて消滅。以下、「旧毎日ビルディング」という。)の代表取締役として、それぞれ右各被告会社等の業務全般を統括していたものであるが、被告人植木博子は、それぞれ右各被告会社等の業務に関し、法人税を免れようと企て、売上を除外するなどの方法により所得を秘匿した上

第一  和五六年六月一日から同五七年五月三〇日までの事業年度における旧毎日ビルディングの実際所得金額が六一七八万九九八八円(別紙1修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同年七月三〇日、東京都渋谷区宇田川町一番三号所在の所轄渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が五七〇万三四三五円でこれに対する法人税額が一六八万円である旨の虚偽の法人税確定申告書(昭和六一年押第一一〇号の1)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額二四九六万五〇〇円と右申告税額との差額二三二八万五〇〇円(別紙4ほ脱額計算書参照)を免れ

第二  昭和五七年二月一日から同五八年一月三一日までの事業年度における被告会社毎日ハウジング株式会社の実際所得金額が一億七三四万五四九四円(別紙2の1、2修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同年三月三一日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が四四八〇万七六八三円でこれに対する法人税額が一七五二万三〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の2)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額四三七八万六三〇〇円と右申告税額との差額二六二六万六〇〇〇円(別紙5ほ脱税額計算書参照)を免れ

第三  昭和五八年四月一日から同五九年三月三一日までの事業年度における被告会社株式会社毎日ビルディングの実際所得金額が九八五八万六六七二円(別紙3修正損益計算書参照)あったのにかかわらず、同年五月一七日、前記渋谷税務署において、同税務署長に対し、その所得金額が八九万三五四八円でこれに対する法人税額が二五万九四〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書(同押号の3)を提出し、そのまま法定納期限を徒過させ、もって不正の行為により同会社の右事業年度における正規の法人税額四〇四三万七七〇〇円と右申告税額との差額四〇一七万八三〇〇円(別紙6ほ脱税額計算書参照)を免れたものである。

(証拠の標目)

判示全事実につき

一  被告人植木博子の当公判廷における供述

一  被告人植木博子の検察官に対する供述調書二通

一  被告会社毎日ハウジング代表者田中一郎の検察官に対する供述調書

一  桑原博の検察官に対する供述調書

判示第一の事実につき

一  収税官吏作成の次の調査書(旧毎日ビルディングに関する分)

売上高調査書

福利厚生費調査書

雑費調査書

受取利息調査書

事業税調査書

一  旧毎ビルディングの閉鎖登記簿謄本

一  押収してある同会社の昭和五七年五月期の法人税確定申告書一袋(昭和六一年押第一一〇号の1)

判示第二の事実につき

一  収税官吏作成の次の調査書(被告会社毎日ハウジングに関する分)

売上高調査書

受取利息調査書

福利厚生費調査書

雑費調査書

支払利息調査書

繰越欠損金控除調査書

事業税調査書

一  被告会社毎日ハウジングの登記簿謄本三通

一  押収してある同会社の昭和五八年一月期の法人税確定申告書一袋(前同押号の2)

判示第三の事実につき

一  被告会社毎日ビルディングの代理人植木博子の当公判廷における供述

一  被告人植木博子の当公判廷(第三回)における供述記載部分

一  収税官吏作成の次の調査書

売上高調査書

福利厚生費調査書

雑費調査書

受取利息調査書

一  被告会社毎日ビルディングの登記簿謄本三通及び閉鎖登記簿謄本

一  押収してある同被告会社の昭和五九年三月期の法人税確定申告書一袋(前同押号の3)

(法令の適用)

一  罰条

被告会社両名につき法人税法一五九条一、二項、一六四条一項

被告人植木につき法人税法一五九条一項

一  刑種の選択(被告人植木)

判示第一の罪につき罰金刑を併科、判示第二、第三の罪につき懲役刑を選択

一  併合罪の処理(被告人植木)

刑法四五条前段、四七条本文、一〇条、四八条一項(懲役刑につき犯情の最も重い判示第三の罪の刑に加重)

一  労役場留置(被告人植木)

刑法一八条

一  刑の執行猶予(被告人植木)

懲役刑につき刑法二五条一項

(求刑 被告会社毎日ハウジングにつき罰金一〇〇〇万円、同毎日ビルディングにつき罰金一五〇〇万円、被告人植木につき懲役一年及び罰金八〇〇万円)

(裁判官 田尾健二郎)

別紙(1) 修正損益計算書

(旧毎日ビルディング)

株式会社 毎日ビルディング

自 昭和56年6月1日

至 昭和57年5月30日

〈省略〉

別紙(2)の1 修正損益計算書

毎日ハウジング株式会社

自 昭和57年2月1日

至 昭和58年1月31日

〈省略〉

別紙(3) 修正損益計算書

株式会社 毎日ビルディング

自 昭和58年4月1日

至 昭和59年3月31日

〈省略〉

別紙4 ほ脱税額計算書(単位:円)

(旧毎日ビルディング) 会社名 株式会社毎日ビルディング

(1) 自 昭和56年6月1日

至 昭和57年5月30日

〈省略〉

別紙5 ほ脱税額計算書(単位:円)

会社名 毎日ハウジング株式会社

(2) 自 昭和57年2月1日

至 昭和58年1月31日

〈省略〉

別紙6 ほ脱税額計算書(単位:円)

会社名 (株)毎日デルディング

(3) 自 昭和58年4月1日

至 昭和59年3月31日

〈省略〉

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